参考プラン

施設の快適性をご自宅で− 長く住み継がれる終の棲家 −

リフォーム事例コンテスト デザインアワード2021 建替部門 最優秀賞 受賞

ご自宅でのけがをきっかけに福祉施設での生活になった施主様。
「住み慣れた土地で、懐かしい家具に囲まれて暮らしたい。自宅で最後の時を迎えたい。」という
施主様の想いに寄り添い、快適で安心な住まい【エルダースイートハウス®】が完成。

  • 建設地東京都多摩市
  • 建築主S 様
  • 設計・監理松本設計ホールディングス株式会社
  • 構造規模木造 地上2階建
  • 建築面積44.51㎡(13.46坪)
  • 延床面積76.70㎡(23.20坪)
  • 竣工2021年5月

「施設にいらっしゃる時と同じような快適性、安全性を備えた住まい」をテーマに設計を進め、それにふさわしい住設機器や建材を選定しました。車椅子での生活を想定し、2階はご家族用のゲストルームや思い出の品々を収納するスペース、そして生活に必要な機能は全て1階に集約しました。バリアフリーはもちろん、コンセントやスイッチ類などの位置、床材の耐久性、玄関の広さ、開口部幅、緩やかなスロープなど、【エルダースイートハウス®】仕様で設計し、施工時には細部まで注意を払いました。

施主様は複数回、施工現場の様子を施設から出向いてみえた都度「こんな立派な家ができる、嬉しい」とおっしゃり、完成をとても楽しみされていました。
そのような施主様の想いを長く住み継いていただけるように、耐震性能・断熱性能・耐久性にも配慮し、性能評価はすべて最高等級を取得。
冬も暖かく段差のない室内、リビングからキッチン、洗面台、トイレ、浴室の水回りを自由に行き来できる動線を施主様はたいへん気に入ってくださいました。また、介護者の方からも「介助しやすくて助かる。最新の住設機器は素晴らしい!」との声を頂きました。
長寿命社会の現在、S様邸は「生活の質を向上させる住まい」「資産として価値が持続する住宅」という課題に向き合い、現段階で考えられる最高レベルの住宅を具現化できたのではないかと思います。

  • 2年前老朽化した自宅が解体された跡地

  • トランクルームで保管されていた
    S様思い出の嫁入り道具の家具

  • 「お花をリビングから見たい」という要望
    既存ブロック塀の控え壁を活用した花壇

ご入居者様にとっての「安全」を考える

許容応力度計算で耐震等級3の耐力壁、さらに耐震ダンパーを追加し、地震の揺れを80%低減させています。
ご入居者様にとって、ご自宅が最も安全な場所となるよう、建物の構造には設計・施工共に重視しています。

  • 全ての検査は監理マニュアルに則り厳密におこない、設計どおり確実に施工していく

  • ドローン撮影により工事状況全体を確認する。また、定期点検時には屋根、外壁など足場を掛けることなく確認することができる

  • 外壁はKMEW グラートⅡを採用 光触媒とセラミックコートによってより長期間にわたり美しい状態を維持する

  • トランクルームで保管されていたS様思い出の嫁入り道具の家具

  • 高い断熱性能と気密性をもつ省エネルギー住宅はヒートショックなどからご入居者を守る健康住宅でもある

車椅子で全ての生活機能にアクセスでき、これから先の身体機能の変化にも対応する
高性能バリアフリー住宅

一切段差がないリビングから水回りの動線は、
S様ご本人がお一人で過ごす時間も、介護者が介助するときも使い勝手がよくとても快適との高評価。
一日のほとんどを過ごすこの空間は、まるでホテルのスイートルームのように全ての機能がつまっています。

洗面台を中心にトイレ、バスルームに容易にアクセスが可能。

ベリテスの3枚連動引き戸を採用。必要に応じて開閉する戸の開き具合を調整できる。

アクアハートのバスルームにザ・シャワーを追加。一人での入浴が困難な時も気軽にシャワーを浴びることができる。

ベリテスの3枚連動引き戸を採用。必要に応じて開閉する戸の開き具合を調整できる。

将来手摺を設置する場合に備え、下地補強を全ての壁におこなっている。

1階平面図

マークをクリックすると画像が切り替わります。

暮らし方の変化や、住み継ぐ次世代の人もベッドや食卓の位置を自由に設定できるように窓は上部に設置。
また、将来手摺を設置する場合に備え、下地補強を全ての壁におこなっています。隣接する住宅への配慮にもなっています。

ご入居者の車椅子での外出を促し、
心身の健康をサポートする住まい

車椅子が回転できる広さを「エルダースイートハウス」では玄関の基準モジュールにしている。

車椅子での通行が想定される玄関框には、耐久性の高いタイル框を採用。

車椅子で出入りを考慮し、開口幅が広く容易に開閉できる玄関建具を採用している。

スロープは介助者が車椅子を容易に押せるように、できる限り緩勾配で計画。 自動車での送迎も想定し、乗降スペースにも配慮している。

1階平面図

マークをクリックすると画像が切り替わります。